秘蜜の秘め事
「洋食、か…」

もう1度メニュー表に視線を向けて、
「じゃあ、オムライスで」

券売機にお金を入れた。

そう言えば…と、わたしは思い出した。

きぃちゃんはいつもこうして、決めてくれていたなと。

小さい頃、わたしがどんなお菓子を買おうかと悩んでいた時、きぃちゃんはよく聞いた。

――昨日のおやつは何だった?

そのおやつが例えばクッキーだったら、それ以外のお菓子を選ぶ…と言うように、きぃちゃんはこうして決めてくれた。

いわゆる、消去法と言うヤツだ。

オムライスをトレイに乗せて席を探しているわたしに、
「りっちゃん、こっちー」

窓際の席できぃちゃんが手を振って待っていた。
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