秘蜜の秘め事
それに対し、
「あー…うん…」

わたしはうなずいて答えるしかなかった。

――真のこと、言えなくなっちゃったな

確かに母子家庭と言うこともあってか、わたしは男の子が苦手だった。

でもきぃちゃんはお隣同士だったこともあり、同じ男の子である彼に対しての苦手意識は特にない。

きぃちゃんの中のわたしは、“男の子が苦手なりっちゃん”のままなんだろう。

わたしだって年齢をとって、ひと回り以上も年上だけど彼氏ができた。

なのに、きぃちゃんは未だにわたしを“男の子に苦手意識を抱いている”って思ってる。

真のことを話そうかと思ったのに、話せなくなっちゃったな。
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