秘蜜の秘め事
まるで、それ以上は話したくないと言っているみたいだった。

「例えば…彼女がいたのかなって。

きぃちゃんはかっこいいし、モテたんじゃないのかなって」

「俺が?」

きぃちゃんは自分を指差して首を傾げた。

このまま真のことを話すこともできればと思って出した話題だった。

きぃちゃんは自嘲気味に笑って、
「俺がモテる訳ないじゃん」
と、言った。

「えっ?

ウソ?」

「本当だよ。

俺、日本人だしさ」

きぃちゃんはハハッと声に出して笑った。
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