秘蜜の秘め事
「はい、わかりました。

飲み会が終わったら電話します」

そう返事したわたしに、
「よしよし」

真はそう言って回鍋肉を持っていた指を離したのだった。

よしよしって、わたしは子供か…って、子供だよね。

真って普段は子供っぽいところがあるくせに、こう言う時ばかりは大人で。

「まあ、飽きないからいいか」

呟くように言ったわたしの言葉が、
「何が?」

真の耳に入ったようだ。

「回鍋肉美味しいね」

ごまかすように、わたしは真手作りの回鍋肉を褒めた。

「そう、よかった」

真は得意気に笑いながら言った。

そう言うところは子供だなとわたしは思った。
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