秘蜜の秘め事
「入ってようか?」

きぃちゃんがドアを指差しながら言ったのでわたしはうなずいた。

ドアを開けて中に入ると…うーむ、これはまたおしゃれだ。

昭和…と言うか、少し古い感じのイメージを思っていたわたしの予想は見事にくつがえされた。

「すみません、澁谷の知り合いですが」

店員を呼び止めたきぃちゃんがそう言った。

店員はわかったと言うようにうなずいた後、
「こちらの席へご案内します」

わたしたちは店員の後ろへついて行った。

「こちらです」

店員に案内されてお座敷の席へくると、
「おう、真柴くん」

すでに4人ほど先客がきていた。

先客は男の子2人と女の子2人だ。

「やあ、澁谷くん」

きぃちゃんは黒ぶち眼鏡の男の子に話しかけた。

ふーん、彼が澁谷くんなのか。
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