秘蜜の秘め事
お座敷は掘りごたつになっていた。

畳のうえに座布団が敷いてあるのをイメージしてたんだけど…。

帰ったら真に最近の居酒屋事情を教えてあげようと思った。

きぃちゃんは澁谷くんの隣にすでに腰を下ろしていた。

わたしも女の子のグループに腰を下ろした。

「あなた、名前なんて言うの?」

わたしが腰を下ろしたとたん、ロングの黒髪をポニーテールにした女の子が話しかけてきた。

「中園梨衣です」

わたしは答えた。

「リエちゃんね。

あたしは平岡桃。

桃でいいよ」

女の子――桃ちゃんが言った。
< 187 / 440 >

この作品をシェア

pagetop