秘蜜の秘め事
「さて…と」

俺は自宅に向かいながら、りっちゃんに視線を向けた。

彼女はよく眠っている。

この調子じゃ、朝まで目が覚めることはないかもな。

ゆがみそうになる唇をどうにかこらえながら、俺は自宅に向かった。

彼女――幼い頃から、梨衣が欲しくて仕方がなかった。

ずっと、ずっと、手に入れたくて仕方がなかった。

それが今、叶おうとしてる。

幼い頃からの願いがもうすぐ叶うことに、俺は嬉しさを隠せなかった。


俺が今住んでいる我が家が見えてきた。

エレベーターで自宅がある6階まで昇ると、自宅である603号室の前についた。
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