秘蜜の秘め事
子供の頃から梨衣が欲しかったんだよ?

ずっと我慢していたんだよ?

こんな俺の気持ちに幼なじみの梨衣は気づかなかっただろうけど。

「――梨衣…」

彼女に向って手を伸ばそうとした瞬間だった。

「――んっ…」

彼女から声がもれた。

しまった、気づかれたか!?

伸ばしかけた手を引っ込めた俺だったが、
「んー…」

ゴロリと、梨衣は寝返りを打っただけだった。

仰向けからうつ伏せになっただけだ。

「何だよ…」

俺は呆れ気味につぶやいた。
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