秘蜜の秘め事
「梨衣は俺のものなんだよ…。

“古沢真”さん」

俺はアザに向かって呼びかけた。

あなたは、いつから梨衣のそばにいた?

いつから梨衣のそばにいて、背中にこんなアザをつけたの?

梨衣の何を知っているの?

何を知っていて、アザをつけたの?

「あんたよりも、俺の方が梨衣のことを知っているんだからね?」

アザに向かって、俺は呟いた。

それから自分の携帯電話の電源を切った。

乱れてしまった彼女の服を整えると、俺は梨衣のそばから離れた。
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