秘蜜の秘め事
「今から朝ごはん作るけど、りっちゃんも食べる?」

そう聞いてきたきぃちゃんに、
「じゃあ…」

いただきますと言いかけたわたしだけど、真の約束を思い出した。

飲み会が終わったら電話をかけるって言う、あの約束だ。

わたし、真に電話してない!

「りっちゃん?」

黙っているわたしの様子にきぃちゃんが不思議そうに聞いてきた。

「…ごめん、やっぱりいいや」

わたしは首を横に振って答えた。

「そう…わかったよ」

きぃちゃんは呟くように返事した。
< 216 / 440 >

この作品をシェア

pagetop