秘蜜の秘め事
わたしはベッドの下にあった自分のショルダーバッグを持つと、中身の確認。

うん、全部ある。

「じゃあ、また学校でね」

ベッドから降りたわたしに、
「うん、またね」

きぃちゃんは目を細めて笑った。

その笑みに申し訳なさを感じながら、わたしは玄関に向かった。


自分の家に帰る前に、まずは真の家を訪ねた。

ピンポーン

チャイムを鳴らしたとたん、パタパタと足音が聞こえた。

ガチャッとドアが開いて、
「――梨衣…」

真が顔を出した。
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