秘蜜の秘め事
まさか、飲み会で会った男と…?

なんて言うのが頭に浮かんだけど、急いで頭の中から消した。

そんな訳ないじゃないか。

梨衣がそんなことする訳ないじゃないか。

こんなことを考える僕は、本当に職業病だと思う。

そして、嫉妬深いんだって思った。

「何かの弾みで消しちゃったのかしら?」

そう呟いた後、梨衣は首を傾げると携帯電話を閉じた。

梨衣の今の格好は、薄紫色のキャミソールとホットパンツだ。

服を着ているからわからないうえに、当然見えないだろう。

彼女の背中につけた、僕の“痕跡”を。
< 225 / 440 >

この作品をシェア

pagetop