秘蜜の秘め事
「何かあったのかい?

ずいぶん、うなされてたみたいだけど…」

心配そうに顔を覗き込んで、真は問いかける。

ああ、真だ…!

「梨衣…!?」

突然のことに、真は驚いたみたいだった。

当たり前だ。

自分から、真に抱きついたんだから。

「梨衣、大丈夫?」

突然抱きついたわたしに戸惑いながらも、真はわたしに問いかける。

真の声。

真の体温。

真の匂い。

真の全てに涙腺が刺激されたと言うように、涙があふれて、こぼれ落ちた。
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