秘蜜の秘め事
玄関のチャイムが鳴った。

何だろ?

宅配便かな?

読んでいた本を閉じ、ソファーの前のテーブルに置いた。

「はーい」

チェーンを外し、ドアを開けた。

……閉めた。

わたしは、とうとう現実と空想がわからなくなったんだと思う。

だってドアを開けたら…ねえ?

自分が目にしたものをもう1度確かめるため、ドアを開ける。

スニーカーのつま先から上へと視線を向ける。

「どうかした?」

見間違いでは、なかった。
< 24 / 440 >

この作品をシェア

pagetop