秘蜜の秘め事
でも、足りなかった。

足りないから、もっと欲しい。

もっと、もっと…躰の中からあふれて流れ出てしまうんじゃないかってくらいに、真が欲しい。

「――抱いて…」

呟くように、わたしは言った。

「――えっ…」

そう言ったわたしに、真は戸惑っているようだった。

「真が欲しいの…」

わたしはそう返すと、また自分から唇を重ねた。

2回目の、不意打ちのキスに真はまた驚いたようだったけど、すぐに受け入れてくれた。

今度は舌を入れて、深く重ねる。

自分からキスを深くしたのも、今日が初めてだった。
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