秘蜜の秘め事
「――んっ…」

舌を絡ませて、真の背中に回っている手を強くした。

もっと欲しい…。

真が、欲しい…。

「――はっ…」

角度を変えて、また唇を重ねる。

部屋に響くのは、お互いの唇が重なる音。

唇の端からどちらのものなのかわからない唾液がこぼれ落ちても、何度も唇を重ねていた。

「――ッ…」

躰が反転したと思ったら、視界に入ったのは天井だった。

「――はあっ…」

唇が離れたのと同時に、ため息のように熱い吐息がこぼれた。
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