秘蜜の秘め事
真と目があう。

彼は唇の端の唾液を指でぬぐうと、
「――ごめん」

呟くようにそう言った後で、ニヤリとイジワルそうに笑った。

「攻められるのは、あまり得意じゃないんだ」

真はそう言って、わたしの首筋に顔を埋めた。

真の唇がそこに触れただけなのに、わたしの躰はビクッと大きく震えた。

「梨衣」

名前をささやかれただけでも、躰は反応する。

「――真…」

それに答えて、真の背中に両手を回した。
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