秘蜜の秘め事
目を開けた。

窓に視線を向けると、外から差し込んできた光は、オレンジ色だった。

時間はどうしてもこんなにも進むのが早いのだろうか？

さっきまで朝だったと思ったら、もう夕方だなんて。

そんなことを思いながら、わたしは自嘲気味に笑った。

ふとんから腕を出すと、冷たい空気が火照った腕に気持ちよかった。

ベッドの中で裸でいると言うシチュエーションにもすっかりなれてしまった。

人間はなれの生き物なんだなと、わたしは思った。

隣にいるであろう彼に視線を向けると、まだ眠っていた。

その横顔にわたしはホッと安心したのと同時に、彼への愛しさがこみあげた。

「――初めてが、真でよかった…」

わたしは呟いて、真の頬に唇を落とした。
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