秘蜜の秘め事
「えっ…やっ…」

真以外の異性に顔を覗き込まれたわたしは戸惑うことしかできなかった。

近い…。

近いよ…。

近過ぎるよ…。

嫌でも夢のことがよみがえってきてしまう。

「頭振ってたけど、大丈夫?

病気?」

きぃちゃんの手がわたしに向かって伸びてくる。

「いやっ!」

パシッ!

その音に驚いたのは、わたしの方だった。

わたし、今何を…!?

きぃちゃんは心配してくれただけなのに…。

彼の手を振り払ってしまった自分の右手を左手で押さえた。
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