秘蜜の秘め事
キーンコーンカーンコーン

チャイムの音が校舎に響いた。

…えっ?

腕時計に視線を向けると、
「…ヤバい」

2限目が始まっていた。

「今行ったら、間違いなく遅刻決定だろうな」

きぃちゃんは呆れたと言うように息を吐いた。

「そうだね」

それに対して、わたしはそう返すことしかできなかった。

「ベンチ空いてるから、そこに座ろう」

隅に忘れたように置かれている錆びれたベンチをきぃちゃんは指差した。

「うん、そうだね」

わたしがうなずいたことを確認すると、2人でベンチに向かった。

2人でベンチに腰を下ろすと、ギシッと古い音を立てて軋んだ。
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