秘蜜の秘め事
あの男の子は、一体何だったのだろうか?

夢の中だったとは言え、梨衣を助けることができなかった。

悔しくて悔しくて、僕は気がどうにかなってしまいそうだった。

実際、なってしまった。

梨衣を感情任せに怒鳴ってしまった。

“男の子”と言う言葉に反応して、梨衣を怒鳴ってしまった。

――ご…ごめんなさい…

怯えたように謝った梨衣の顔が、頭の中を離れることができない。

悪いのは、梨衣じゃない。

感情に任せて彼女を怒鳴った僕が悪いのだ。

男の子と言っても、友達じゃないか。

男の友達なんて、珍しくも何ともないじゃないか。
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