秘蜜の秘め事
きぃちゃんは自分の腕時計に視線を落とした後、
「12時40分の部で予約したからまだ間にあうよ」
と、言った。

わたしも自分の腕時計に視線を落とした。

腕時計は11時45分だった。

映画が始まるまで約1時間と言うところだ。

それまでどこかでご飯を食べて待っていれば、ちょうどいいと言うところだ。

「ねえ、きぃちゃん…」

話しかけたわたしに、
「ついたよ」

きぃちゃんが言った。

目の前には映画館があった。

「えっ…きぃちゃん、ご飯は?」

話しかけたわたしに、
「映画が終わった後でいい」

きぃちゃんは返した。
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