秘蜜の秘め事
「でも…お腹すいてるんでしょ?

何か食べた方がいいんじゃ…」

「大丈夫だよ」

言いかけたわたしをきぃちゃんは笑いながらさえぎった。

「りっちゃんは心配しなくていいから」

「どうして…」

「んっ?」

呟くように言ったわたしの声が聞こえたのか、きぃちゃんが首を傾げた。

「どうして…」

どうして、わたしが言いたいことをいつもさえぎるの?

そう言おうとしたけど、やめた。

「何でもない」

わたしは首を横に振って、笑って答えた。
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