秘蜜の秘め事
きぃちゃんはうなずくと、
「そうだね」

そう答えて、先に映画館の中へと入って行った。

わたしも彼の後を追って、映画館の中に足を踏み入れた。

映画館も休日と言うこともあってか、たくさんの人がいた。

チケット売り場はもちろん、飲食店のブースも行列ができていた。

わたしときぃちゃんは上映中の映画のポスターが貼ってあるところまでくると、
「ここで待ってて」

きぃちゃんが言った。

わたしは言われた通り、そこで立ち止まった。

きぃちゃんはわたしがそこにいることを確認すると、どこかへ行った。

トイレにでも行ったのかな?

そう思いながらわたしはカバンから携帯電話を出した。

真からの着信は…当然ない。
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