秘蜜の秘め事
着信の確認をした後、わたしは携帯電話の電源を切った。

映画中になったらマナー違反だもんね。

そのままきぃちゃんを待っていたら、
「お待たせー」

きぃちゃんが戻ってきた。

両手には飲み物が入った紙コップが2つ。

「アイスティーでよかったよね?」

きぃちゃんが紙コップを1つ、わたしに差し出した。

「うん、ありがとう」

わたしはきぃちゃんから紙コップを受け取った。

もしかして、飲み物を買いに行ってたの?

「アイスティー、嫌いだった?」

「えっ?」

そう言われた理由がよくわからなくて、首を傾げた。

「いや、アイスティーは好きだけど…」

最後のところは自分でも何を言っているのかよくわからなかった。
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