秘蜜の秘め事
「――りっちゃんも、一緒だったんだね…」

声が震えているのは、泣いているせいだろうか?

きぃちゃんはボロボロと目から涙を流して、
「りっちゃんも、あの人と変わらなかった…」
と、言った。

「えっ…?」

“あの人”って、誰?

きぃちゃんは泣いているところを見せたくないと言うようにうつむいて、
「――りっちゃんだけは、違うと思ってた…。

りっちゃんはあの人と違うって…そう、思ってた…」

呟くように、言ったのだった。

“あの人”って、誰?

そう聞きたかったけど、
「――ッ…」

きぃちゃんは泣き出した。
< 295 / 440 >

この作品をシェア

pagetop