秘蜜の秘め事
パシャッと、真はお湯を顔にかけた。

ゴシゴシと両手で濡れた顔をこすった後、片手で濡れた前髪をかきあげた。

「余裕がないから嫉妬して、怒鳴って、風邪をひいて…僕は一体、何がしたいんだろうね」

真は呆れたと言うように息を吐いた。

「こんな僕は嫌いか?」

真が言った。

ドキッ…と、わたしの心臓が鳴った。

懺悔するように一言一言丁寧に言った真に、不謹慎ながら、わたしの心臓はドキドキと激しく脈打っていた。

わたしはそっと、まつ毛を伏せた。

「き…」

「き?」
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