秘蜜の秘め事
湯気がこもっている密室。

桜色に躰を染めた真と、同じく桜色に染まっているであろうわたしの顔と躰。

それも、わたしの心臓を早くさせた。

「…嫌いじゃ、ない」

わたしは言った。

「嫉妬してたって、余裕がなくたって…真は、真だよ。

わたしは真そのものが好きで、真を愛してる。

真が嫌いな訳がないし、嫌いになれる訳がない…」

真の顔がぼやけてきたのは、のぼせてきたからかも知れない。

「わたしは、真がどんな人でも…好きになっていたと思う」
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