秘蜜の秘め事
「――えっ…りっちゃん、が…?」

きぃちゃんは戸惑っていた。

「じゃあ、これで失礼するよ」

管理人はペコリと小さく頭を下げると、玄関に向かった。

バタンと、ドアが閉まる音が部屋に響き渡った。

わたしはきぃちゃんが横になっているベッドに歩み寄ると、床のうえに腰を下ろした。

「きぃちゃん、大丈夫?

3日も学校にきてなかったから…」

そう声をかけたわたしにきぃちゃんは、
「風邪ひいてて、寝込んでたんだ」
と、答えた。

「そう…」

わたしは小さく呟くように返事した。

「りっちゃんこそ、どうしたの?」

きぃちゃんが聞いてきた。
< 314 / 440 >

この作品をシェア

pagetop