秘蜜の秘め事
そんなわたしに、
「いきなりこんな話を聞かされて、戸惑うのも当然だよね」

きぃちゃんは言った。

「だけど…“大切な友達”として、りっちゃんに聞いて欲しいと思った。

それでりっちゃんが俺とこの後どう接するかは、りっちゃん自身に任せる」

きぃちゃんは深呼吸をした後、
「俺は、アメリカ人のハーフの父親と日本人の母親との間に生まれた。

俺の髪がオレンジに近い茶色なのは、父親からの遺伝なんだ。

だけど両親は俺が2歳の頃に離婚した。

離婚の理由は、聞かされていない。

父親はその後故郷のアメリカへ帰って、俺は母親の方に引き取られた」

遠い昔を思い出すように、話を始めた。

わたしはうつむいて、だけど耳はきぃちゃんの話に傾けていた。
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