秘蜜の秘め事
「アメリカへ向かう飛行機の中、いつかりっちゃんを迎えに行くと誓って」

きぃちゃんは言った。

「りっちゃんは、俺の初恋だった」

“だった”と過去形になっているのは、何故だろうか?

「りっちゃんは変わらないと、そう思ってた。

だけど…時間の流れって残酷だね、りっちゃんは変わってた。

変わらないところも、1つあったけど」

そう言ってきぃちゃんは微笑んだ後、
「子供の頃と同じ、俺を“大切な友達”だと思ってること。

それが、りっちゃんが変わっていない唯一のところだった」

わたしは、涙が出そうになった。

「――きぃちゃんは…きぃちゃんだよ」

涙で震える声で、わたしは言った。

「きぃちゃんは、“大切な友達”のままだよ…。

きぃちゃんはきぃちゃんだよ…」

そう言ったわたしに、
「ありがとう、りっちゃん」

きぃちゃんはお礼を言った。
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