秘蜜の秘め事
梨衣は椅子に腰を下ろすと、
「相川さんいなくなったら、寂しくなっちゃうなー…」

息を吐いた。

梨衣のトレードマークである赤茶色の髪が、蛍光灯の光に照らされてキラキラと赤っぽく光っていた。

6年前の高校1年生――僕と出会った当時、その髪の長さは肩までだった。

3年前の大学1年生は、胸元まで。

そして、現在は腰まで伸びていた。

時の流れと髪の毛が伸びるスピードは、早いみたいだ。

「そう言えば…就職どうなってる?

もう書類選考の結果がくるって…」

センチメンタルになっている梨衣に、僕は就職活動の話題を切り出した。

「また書類選考落ち」

梨衣は答えて、息を吐いた。
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