秘蜜の秘め事

第2章

チラリと…僕はその横顔を盗み見た。

その横顔はカフェオレが入ったカップに口をつけていた。

…一体、どう言う理由なんだ?


時間をさかのぼること、ほんの数分前。

その日は、新しくついたと言う担当がくる日だった。

僕は机のうえの真っ白な原稿用紙に頭を抱えていた。

「参ったな…」

全然話が浮かんでこない…。

もうすぐ時間になる。

ピーンポーン

チャイムの音に、僕は頭を抱えていた手を下ろした。

「ウソだろ…」

ちょっと、早過ぎじゃないか?

今日に限って、日本中の道路は渋滞をしていないらしい。

それどころか、日本中の交通機関は止まりさえもしていないみたいだ。
< 333 / 440 >

この作品をシェア

pagetop