秘蜜の秘め事
あっ、いかんいかん。

こんなことしたら、ますます梨衣に心配される。

と思って梨衣を見たけど…梨衣はフォーク片手に、息を吐いていた。

その様子だと、就職活動はうまく行っていないと言うことだろう。

僕はホッとした反面、梨衣が心配になった。

もしこのまま、梨衣の就職が決まらないようだったら…。

僕もある程度は、出版社にコネがある。

僕の紹介で彼女を出版社で働かせてもいいかも知れない。

梨衣が首を縦に振ってうなずけば、の話だけど。

僕はそんなことを思って、フォークでパスタを巻いた。

彼女が抱えている悩みに気づかないで。
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