秘蜜の秘め事
ちなみにきぃちゃんは建築会社に就職がもうすでに決まっている。

アメリカ育ちで英語が話せると言う理由から、会社から“採用”の通知をもらったのだそうだ。

「古沢さん、コネないの?」

きぃちゃんが思い出したと言うように言った。

「えっ?」

わたしは意味がわからなくて聞き返した。

「今年でもう…13年目、だっけ?

10年以上も出版社にお世話になっているんだったら、ある程度のコネを持っているんじゃないかなって思うんだ。

りっちゃんも古沢さんの紹介でさ」

「それはできないよ」

きぃちゃんをさえぎるように、わたしは言った。

「真に迷惑はかけられない。

それにコネなんて…何かヤだ」

それだけで仕事ができないって言うレッテルを貼られそうだ。
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