秘蜜の秘め事
わたしのわがままだって言うのはわかってる。

でもそんな些細なことで真に迷惑はかけたくない。

わたしもちゃんと就職して、働いて、真を支えることができる1人前の女性になりたいのだから。

「りっちゃんがそう言うなら、俺も何も言えないよ…」

きぃちゃんは気まずそうに言って、カプチーノに口をつけた。

それから自分の腕時計に視線を向けて、
「あ、もうこんな時間だ」

ガタッと椅子から立ちあがった。

「バイト?」

わたしがそう聞くと、
「うん。

俺はもう帰るけど、りっちゃんは?」

きぃちゃんが聞き返した。

「わたしはもう少し残るよ」

「そう、じゃあね」

「また明日」

きぃちゃんはわたしに手を振ると、早足でカフェを出た。
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