秘蜜の秘め事
「考えさせてくれないか?」

僕は言った。

ビー子は首を傾げる。

「月曜日まで考えて答えを出す。

それでいいか?」

つけくわえてそう言った僕に、
「…わかったわ」

ビー子が言った。


その日の夕食時。

「水曜、日?」

梨衣は聞き返した。

「来週の水曜日に映画に行かないかと友人に誘われて」

僕はイワシの唐揚げを箸でつまみながら言った。

「水曜日なんだ…」

梨衣は呟いて、自分が持っている箸の先を見つめた。
< 365 / 440 >

この作品をシェア

pagetop