秘蜜の秘め事
「古沢くんとは高校時代の同級生だったんだけど、音が一緒だから友達も担任も混乱しちゃってね、あだ名をつけたの。

エー男とビー子って」

古澤さんは思い出したように笑った。

高校時代の同級生なんだ…。

だけど、今古澤さんの口から話したことは全部真の口から聞きたかった。

「えーっと…」

古澤さんは考えたようにわたしの顔を見つめた。

「中園です」

名前のことだと思い、わたしは自分の名字を名乗った。

「中園さんね…名前は?」

「…梨衣、です」

わたしは自分の名前を言った。
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