秘蜜の秘め事
「梨衣ちゃんって、かわいい名前ね」

古澤さんはフフッと、目を細めて笑った。

「年齢は?」

古澤さんが続けて聞いてきた。

まるで尋問されているような気分になった。

「22です…」

わたしは答えた。

この場から早く逃げ出して、真の顔が見たいと思っていた。

「大学生?」

「はい」

「若いわねー」

古澤さんはうんうんと首を縦に振ってうなずいた。

彼女は一体、何が言いたいのだろう?

そう思っていたら、古澤さんの唇が動いた。

「エー男よりも、もっといい人がいるんじゃない?」
< 388 / 440 >

この作品をシェア

pagetop