秘蜜の秘め事
「それよりも、映画は?

もうすぐ始まるんだろう?」

早く映画を見て、早く家に帰りたい。

そんなことを思いながら、僕はビー子に尋ねた。

「映画楽しみなんだね」

ビー子はフフッと笑った。

「少し早い気もするけど、エー男がそんなに楽しみにしてるんだったら行くしかないか」

そう言うと、ビー子は歩き出した。

その足取りは、まさに楽しそうだ。

ビー子の方がよっぽど楽しみにしてたんじゃないか。

僕は心の中で呆れたように言うと、彼女の背中を追った。


映画は時代劇だった。

江戸時代が舞台のコメディものな訳だけど…歴史が苦手な僕には、ちんぷんかんぷんな内容である。
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