秘蜜の秘め事

第5.5章~Rie~

久しぶりの母との水入らずの時間。

わたしの心は…と言うと、
「梨衣?」

母の声にハッと視線を向けると、食事中だったことを思い出した。

「あー、うん…。

何?」

今日の夕飯は、母の大好物のビーフシチュー。

昨日の夜から時間をかけて作ったそれは、我ながら上出来だと思う。

「やっぱり、迷惑だった?」

母が言った。

「…どうして?」

そう聞き返したわたしに、
「…あんまり、嬉しそうじゃないから」

母は悲しそうに、呟くように言った。
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