秘蜜の秘め事
「梨衣」

母がわたしの名前を呼んだ。

「楽しみにしてるわよ」

微笑みながら、母が言った。

「うん」

わたしも微笑みながらうなずいた。

「さ、食べましょう」

微笑みながら、母がスプーンを手に持った。


母がお風呂に入っている間、わたしは真の家へ向かった。

「真?」

合鍵でドアを開けて名前を呼ぶと、リビングに電気がついているだけだった。

真もお風呂に入っているのかな?

それまで待っていようと思い、わたしは家の中に足を踏み入れた。
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