秘蜜の秘め事
リビングに入ると、
「あっ」

先に目に入ったのは、テーブルのうえに置いてあった映画のチケットだった。

今日見に行った映画だろう。

わたしはそれを手にとると、チケットを眺めた。

同時に、ふと思った。

友達と言っていたけど…真は、誰と映画を見に行ったのだろう?

1口に友達と言っても、いろいろある。

男はもちろん、女の友達だって、当然いる訳で…。

――あなたにはもっとふさわしい人がいると思うわ

何故だかよくわからないけど、頭の中で古澤さんの顔が浮かんだ。

「――まさか…ね」

わたしは首を横に振った。

今日映画を一緒に見に行った人が古澤さん…じゃないよね?
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