秘蜜の秘め事
真は驚いたと言うように目を見開いた。

「やっぱり、古澤さんと見に行ったの?」

そう言ったわたしに、
「どうして…ビー子のことを知ってるんだ?」

真は驚いていた。

「梨衣とビー子はまだ会った覚えなんか…」

「この間会ったよ」

まだ驚いている真にわたしは言い返した。

「新しくきた担当さんで、真の高校の時の同級生なんでしょ?」

「…あいつ、そこまでしゃべったのかよ」

真は呟くようにそう言うと、わたしから目をそらした。

「今日だって、古澤さんと一緒に映画を見に行ったんでしょ?

そうなんでしょ?」

「梨衣、待って…」

「内容がわからなかったって言うけど、本当はおもしろかったんでしょ?」

「梨衣!」

強い口調で真に名前を呼ばれて、わたしは我に返った。
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