秘蜜の秘め事

甘ったれクリーチャー

10月31日――世間ではその日を“ハロウィン”と言う。

trick or treat.

日本語訳は、“イタズラされたいか、お菓子をくれるか”。

そのセリフは、ハロウィンの日に子供たちが家の玄関でお菓子を乞うときの合い言葉。


甘いお菓子は好きだ。

食べていると執筆の疲れが消えるし、何よりも全てから解放された気分になる。

だから、甘いものは好き。

「――遅い…」

時計を見ると、午後4時を差していた。

ソファーのうえで躰を横にして、彼女が帰ってくるのを待つ。

すっかり習慣になってしまった。
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