秘蜜の秘め事
何でわかったのだろうと思ったけど、自分の格好が制服だったことに気づいた。

わかっちゃうよ、そりゃ。

せめて着替えてから覗きに行けばよかったと後悔する。

「はい」

後悔は後にして、まずは先に彼の質問に答えた。

「何年生?」

続けて彼が聞いたので、
「1年です」
と、わたしは答える。

「1年生か…。

僕よりも16歳年下か…」

ブツブツと独り言を言っている彼を眼鏡の男が疑いの目を向けている。

わたしの年齢は16歳。

16に16を足したら…32だ。

となると、古沢さんは32歳。

1回りも年上か…。
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