秘蜜の秘め事
期待はもちろん、していない……よ?

16も年上なんだから、する訳ないじゃないの。

「僕は古沢真。

彼は僕の担当編集者の相川」

古沢さんに紹介された眼鏡の男が、
「相川澄(アイカワキヨシ)です」

スーツの胸ポケットから名刺入れを取り出して、
「あ、どうも」

初めて名刺をもらった。

「これからお世話になります」

古沢さんは微笑んで会釈をした。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

わたしも会釈して住んでいる部屋に入った。
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