秘蜜の秘め事
汗だけじゃない。

古沢さんの指にも、唇にも、舌にも…反応してしまう。

まるで、蜜のような甘い秘め事。

これは…夢、なのだろうか?

…ううん、現実だ。

今起こって、体験している蜜のような甘い秘め事は、現実なんだ。

でも…現実を信じるのが怖いから、古沢さんの背中に両手を回した。

熱に浮かされる…。

頭がぼんやりする…。

古沢さんの背中にしがみついているのが精いっぱいだ。

「――梨衣…」

名前を呼ぶ声はかすれていた。

「もう、いいかな?」

何が?

訳がわからないけど、首を縦に振ってうなずいた。
< 82 / 440 >

この作品をシェア

pagetop