秘蜜の秘め事
彼の漆黒の瞳は、熱で潤んでいた。

「“真”。

“真”で、いい」

古沢さんの唇が動いた。

「――真…」

名前を呼んだ。

「――真…好き…」

「うん」

「――真が好き…」

「うん」

わたしの唇から、愛の言葉がこぼれ落ちる。

どうしてなのかわからない。

でも…言いたかった。

古沢さんに伝えたかった。
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