秘蜜の秘め事
「梨衣」

チュッと、額に唇の感触。

名前の呼び方、昨日のまんまだ。

気のせいでもなければ、夢でもなかった。

「古沢、さん…」

「名前じゃないんだね」

「えっ…」

名前って…真、だよね?

「昨日は呼んでくれたのに」

古沢さんの端正な顔がちょっと怖い…かも。

何か…支配されている感じが…。

いや昨日は呼んだ…と言えば呼んだけど、熱に浮かされてと言うか、ほとんど勢いと言うか…。

うううっ…。
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